振り下ろされる鎧武者の太刀!

これを跳躍して回避した小岩井は、同時に空中で六花を掴む!

そのまま切っ先を、鎧武者の甲冑の隙間…首筋へ!

「……!!」

刺突の激痛、そして刃より放たれる冷気。

凍て付く刃に氷漬けにされ、そのまま鎧武者は氷結粉砕される。

「……」

僅かに呼吸を乱しながら、ゆっくりと雪娘の方を見る小岩井。

彼以上に呼吸を乱していた雪娘は、そのまま小岩井へと駆け寄って。

「何でこんな危ない事を一人でするんですかっっっ!」

小岩井のツナギの胸元にしがみ付いた。

「あのまま斬られたら…私がりっちゃんを渡すのが遅れたら…どうするつもりだったんですかっ!」

「…………そう…ですね」

無表情のまま、雪娘を抱き締めるでもなく、しかし。

「雪菜さんは…命の恩人です…自分は二度目の死を迎える所でした…」

そう、柔らかく呟く。