草木も寝静まる夜。

「……」

宿直室の灯りを消し、小岩井は部屋を一人出て行く。

部屋に残されたのは、小さく寝息を立てている雪娘のみ。

…いつもの夜ならば。

パタンと小さく音を立ててドアが閉まったのを確認して、雪娘は寝床から身を起こした。