変わらぬ表情。

しかしその瞳だけが、漆黒の中で何かを捉える。

「…時代は変わりましたね…」

小さく呟く小岩井。

「昔は付喪神といえば、唐傘だったり、提灯だったり、車輪だったりしたものですが…」

彼の視線の先…鈍色(にびいろ)に光る金属質の何かが存在した。

何が年月を経て、付喪神になったのか。

まだ夜目の利かない小岩井には確認できない。