「龍太郎さん…一休みしませんか」

小岩井の手には、ビニール袋の他にスポーツドリンクが二本握られていた。

「おぅ、悪ィな小岩井さん」

ニカッと笑って、スポーツドリンクを一本受け取る龍太郎。

地べたに平気で座り込み、二人並んでスポーツドリンクを飲む。

「見た所…修行は順調そうですね…」

呟く小岩井に。

「いやぁ、んな事ねぇよ」

龍太郎は苦笑いする。

「老師に色々技は教わってんだけどよぉ…浸透勁…あれだけはなかなか上達しなくてなぁ…流石、老師曰く『中国拳法の奥義』って言われるだけの事はあるぜ…難儀してるとこさ」