そんな彼に。

「今日も精が出ますね…龍太郎さん…」

声をかけたのは、用務員の仕事中の小岩井だった。

「おぅ、小岩井さんか。仕事中か?」

「いえ…これを焼却炉に入れたら終わりです…」

そう言って引き抜いた雑草を入れたビニール袋を掲げて見せる。

こう暑いと、雑草も幾らでも生えるだろう。

…龍太郎と小岩井といえば、以前増長した龍太郎を小岩井がフルボッコにして、家庭科教師以上のミイラ姿にしたという過去がある。

二人の力量の差が窺えるエピソードだ。