そんな苦情を受け付けるのが、天神学生寮の管理人。

名前を喜屋武 ペイン（きやん ぺいん）という。

若干二十歳のうら若き女性。

父親が天神地区では結構名の知られた地主らしく、学生寮もその父親の所有。

彼女は学生寮の管理を父親から任されている。

「あ、はい…丹下君がダンベルを床に落として…それから志摩さんが音楽に合わせて激しく踊り狂って騒音を…はい、私の方から言っておきますので…はい…」

無造作に後ろで束ねた長い黒髪、ロイド眼鏡、白のＴシャツにジーンズ。

ルックスは悪くないのに野暮ったく地味な出で立ち。

喜屋武はペコペコ頭を下げながら、電話口で苦情に対応する。