その年、一族に生まれた男児。

その家にとっては四人目の男児であった。

もう家督を継ぐ男には足りている。

そろそろ災いや不幸を退ける為の対策を練らねばならない。

「この子は『穢れ子(けがれご)』とする」

一族の長老が言う。

結界使い・小岩井の一族きっての結界師である長老の言葉は絶対だ。

その男児の両親であろうと、兄弟であろうと、逆らう事は許されない。

「四男の防人は穢れ子とする」