龍娘の下で、中国拳法の修行を始めて半年になろうとしている。

基礎の太極拳、立禅ときて、龍太郎は硬気功を習得するまでに至った。

しかし、来たるべき夕城一派との決闘に備え、龍娘はそれ以外の技も龍太郎に仕込もうとしていた。

軽身功、活歩、浸透勁。

スペシャルバカではあるものの、努力を惜しまない彼は、この半年の間にメキメキと腕を上げ、軽身功と活歩までは己の技として身につけた。

しかし浸透勁は。

浸透勁だけは習得に苦しむ。

…浸透勁習得にあたって龍娘が与えた修行は、『木についている葉っぱを一枚残らず一撃の拳で散らす事』。

とはいえ、秋深まった枯葉ならともかく、まだ芽吹いたばかりの若葉だ。

どんなに力任せに打っても、散る訳がない。

散らせるとすれば、腕力ではなく…。