「駄目だな、もう一度」

放課後の校庭。

龍娘の厳しい声が飛ぶ。

一本の木の幹の前に跪き、汗だくで呼吸を乱すのは空手着姿の龍太郎。

その右拳は、もう傷だらけで血に塗れている。

擦り傷切り傷など当然。

爪が割れ、血豆や内出血になっている所もある。