ようやくその日も仕事が終わった。

収集したゴミを焼却炉に放り込み、小岩井は軽く腰を叩く。

心地よい疲れが、全身に巡る。

確かに重労働ではあるが、用務員の仕事というのは達成感がある。

他者に奉仕する喜び。

他者の役に立てる喜び。

意味もなく希薄に、漂うように存在していた幽霊時代の事を思えば、汚れ役も嫌がる事なく引き受けられた。