その頃、放課後の天神学園の校門。

既に多くの生徒は下校し、人影もまばら。

そんな学園の前に、一人の男が立っていた。

長い黒髪、無精髭。

前髪に隠れて視線は見えない。

もう四月も半ばだというのに黒いロングコートを羽織った長身の男性。

どう見ても生徒ではない。

教師にしては身なりが薄汚れすぎていた。

何より。

「血の匂いがするな、アンタ…」