途中で若者から強引に拝借したバイクだってそうだ。

後日ロシア当局が彼の住所を特定して、バイクはきちんと返却したし、ガソリンだって満タン返しにした。

バイクは無傷だったし、移動の際に物損事故も人身事故も起こしていない。

まぁ無茶な走り方をしたのでタイヤが少しばかり派手に磨耗してしまったが、そこら辺もタイヤを新品に交換して返却というアフターサービスぶり。

あの若者にしてみれば、『バイクを拝借してくれて有り難う』ってなものだろう。

その上、全ての経費はロシア当局持ち。

アリスカにも何ら経済的負担はかかっていない。

犯罪も阻止できたし、言う事無し。

全てまるく収まった…筈だった。

しかし。