慌てて髪を乾かし、服を着る。

「なになに、そのままの格好でもよかったのにぃ」

雛菊がニヤニヤしながらいつもの貼り紙を貼る。

「今日の議題はこれ!」

貼り紙には、

『煩悩と今年の疑問は今年の内に取り払おう』

と書かれていた。

その貼り紙の隅っこに、小さく『欠席者・丹下 龍太郎』の文字。

「あれ、龍太郎欠席?」

アリスカが言う。

まぁ風呂上がりの所を龍太郎に目撃されるよりはいいが。

「丹下は大晦日なのに補習真っ最中だ。毒舌教師の奴が、わざと今日呼びつけたらしい」

龍娘が蕎麦をズルズル啜る。

『心配だなぁ…あとで龍太郎君の様子見に学園に行ってみよう…』

小夜は龍太郎が心配で、食が進まない様子。

「私もちょっと用事があるから、今日は早めにお暇しないと」

雛菊も、はいっ、と挙手して言う。

「だったら別に無理して来なくていいのに」

アリスカがブツブツとぼやいた。