「しかし」

静かに目を閉じたまま言ったのは小岩井だった。

「大切な人を守る為には、それなりの力が必要…そして力を得る為には、相応の努力が必要です…厳しい苦難に耐えてこそ、その苦難を乗り越える力と、同じ苦難を大切な人に味わわせないという優しさが身につくのです…」

珍しく多弁な上に、小岩井が語ると含蓄がある。

納得したように頷く女性陣。

龍太郎も、何か思う所があったようだ。