「こっちも終わったぜ、龍太郎」

別の奴らが報告に来る。

人外の手下。

桜の結界がなくなった事で、邪悪な本性を露わにした連中だ。

「早速だが約束通り…お前の姉貴と女を頂くぜ?雛菊と小夜だったか?」

下卑た笑みを浮かべる人外達。

「……」

「何黙ってんだ、龍太郎ちゃあん?」

人外の一人が、ニヤつきながら俺の顔を覗き込む。

「あの女二人、好きなように蹂躙していいって言うから、俺達ゃおめぇみてぇな人間の小僧に手ぇ貸してやったんだぜ?それとも…」

人外の嘲りが、更に色濃くなる。

「血を分けた家族や惚れた恋人には、やっぱり手を出させたくねぇかぁ?」

そう言った人外の一人を。

「いぎゃぁぁあぁああぁあぁぁあぁっ!」

俺は『黒い竜』の力で炎に包んでやった。

「家族?恋人?……そんなものはいねぇっ!丹下 龍太郎は天涯孤独、誰にも信用されず、誰にも愛されず、誰にも必要とされねぇ、どこにいても蛇蝎の如く忌み嫌われる害虫だ!余計な事言ってっと張っ倒すぞ雑魚人外がッッッ!」