所詮は弱きを貪り、強きにへりくだる三流の魑魅魍魎ども。

悪霊、妖怪、魔物と様々な種族が徒党を組んではいるが、彼らに出来るのは何の力も持たぬ人間に憑依する程度の事。

タイマントーナメント準優勝の龍太郎には、手も足も出ぬ筈。

だが。

「臥龍の宿主は、今重傷を負っておるらしい」

一匹の妖怪の口にした言葉に、魑魅魍魎どもはどよめく。

「何と、好機ではないか」

「天神の地を荒らし尽くした臥龍を使役するまたとない機会!」

「龍そのものは強くとも、それを宿す人間は、憑依に抵抗できぬただの小僧じゃ」

「とり憑け、憑依せい、そのまま肉体を奪ってしまえ」

「さすれば臥龍の力が、我らの物になるぞ」

「天神の地を脅かす力を、我が物としようぞ」