小岩井の言葉を思い返しつつ、天神学生寮への帰路に着く龍太郎。

寮の部屋の前まで辿り着くと。

『あ!龍太郎君!』

小夜がドアの前で待っていた。

『どこ行ってたの、もうっ、傷がまだ癒えてないのに!包帯も替えなきゃいけないし、しっかり栄養とって休養しないと、治らないよっ?』

甲斐甲斐しく世話をしてくれるおかっぱ髪の小柄な少女に。

「…悪ィ悪ィ」

龍太郎は微笑むのだった。