「はい、どうぞ」

喜屋武がタッパーに詰めたおかずを小夜に手渡す。

「消化にいい物を選んで調理したつもりですが…暴飲暴食はくれぐれも控えるように龍太郎さんに伝えてくださいね…まだ傷は癒えていませんから」

『はい、有り難うございます喜屋武さん』

小夜はコクリと頷く。

…タイマントーナメントから三日が経過。

流石の龍太郎も、学校を欠席している。

試合直後は目を覚まさなかった。

保健委員長の治療によって、出血は止まり、傷はある程度塞がったが、流石に完全治癒とまではいかなかったようで。

治療痕を見て、小夜は愕然としたものだ。

龍太郎の肉体には、こんなにも傷痕が多かったのか。

昨年のタイマントーナメントでの死神少女や奥方の斬撃痕、パラレル女子に刻まれた首の傷痕、そして今回の旦那によって、左胸に刺突を穿たれた痕が残った。

その他にも大小様々な傷痕がある。

『男の勲章』で片付けるには、あまりにも多すぎる。