「…………」

パチリと目を開ける。

珍しくうたた寝していたらしい。

「小岩井さん?」

宿直室。

片隅で静かに読書をしていた雪娘は、目を覚ました小岩井の顔を見る。

「……ちょっと出掛けてきます」

徐に立ち上がる小岩井。

いつもの夜の見回りにしては時間が早い。

まだ放課後とも言える時間帯。

なのに小岩井は宿直室を出て行く。

「大丈夫です…」

彼は穏やかに雪娘に告げる。

「ちょっと…皆さんに告げ口してきます…」