「お邪魔致します…」

いつものツナギ姿。

小岩井は敷居を跨ぐ。

佐伯邸。

薄暗く、周囲に民家など存在しない一軒家に、小岩井は招かれていた。

遠く見えるのは、祭の灯り。

年に一度の天神夏祭りの屋台や提灯の灯だ。

きっと生徒や教師、関係者達も、あの灯りの下で騒いでいる事だろう。