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あれから2週間経ち、授業中の秘美と椿からの
熱い視線(笑)に耐えながら、
なんとか実習期間を終えた俺は
校長に挨拶をし終えたその足である場所に向かった。







「……俺のほうが先だったか」


黒の乗用車に背中を預けスーツの胸ポケットから煙草を取り出す。



いつの間にか、スーツも少し暑くなる時期に差し掛かっていて
額にはうっすらと汗が光る。







「ゆーうちゃんっ♪」


ちょうど1本目が終わる頃、秘美がきた。



下から俺を覗き込む秘美に、

「誰かさんが少し遅かったから、ちょっと温くなったけど飲むか?」


そう言って秘美に差し出したのはミルクティー。



「…飲むっ♪」


俺の嫌味に少しむくれたが、ミルクティーの誘惑には勝てなかったらしい。