隆哉が帰って、リビングが一気に静かになる。


「……」


さっきから難しい表情をしているゆうちゃん。

…怒ってる？


「…ゆうちゃん…？」


恐る恐る声をかけてみる。


「…………ん？」


！！

なに、今の間！

やばい、やっぱり怒ってる？

私嫌われちゃったかなぁ…


俯き下唇を噛んで、泣きそうになるのを堪える。


そんな私を見て

「ちょ、秘美泣くなー？」


少し焦りながらもぽんぽん、と私を宥めようとしてくれる
ゆうちゃんの手が心地よくて、目に涙が溜まる。


「はー……」


！？

溜め息ついたよね？

やっぱり泣く女って面倒だよね。



泣いちゃ駄目だ、って言い聞かせれば言い聞かせるほど
それに反抗するように涙は溢れるばかりで。


「……ぅー…っく…ぇ…」


ついに本格的に泣き出してしまった。


「……秘美、顔あげて？」


頬に手を添えられ、涙を拭うのも忘れ
ぐちゃぐちゃの顔のままゆうちゃんを見上げた。