「あいつらは、お前のことが好きだったんだ。いつも一緒にいる私を妬んでた」

「それで?」



紫苑が小声であったことを言う。
俺は紫苑が話すことをちゃんと聞いた。



「最初は、ひがみばっか言われただけなんだ。でも、私の体中の痣や親がいないこととか言われて…」



紫苑の体が震え、次第にどんどん声が聞こえなくなる。



「私…いちゃいけないんだって…私には…存在理由なんてないんだって気付いて…」

「勝手に決めつけんなよ!!」



俺は紫苑を思いきり抱きしめた。