「大丈夫だよ。ほの。ちゃんと受け止める。ほのが大切だから。ほのが思ってることをちゃんと知りたいんだ。」


真人はほのかの隣に腰かけてほのかの背中に手を回した。とんとんと一定のリズムで背中を叩かれてほのかは安心して徐々に真人に体を預けていく。


「お父さんが、来たから。もしわたしがこのままここにいたら真人さんのところにまた来るから。真人さんに迷惑かけたくない。真人さんを傷つけたくないの。」


ほのかは俯いた。瞳には今にもこぼれおちそうなくらい涙が貯まっている。


「馬鹿だなぁ、ほの。大切だって言ったろ?ほののことが大切だから守りたいんだ。迷惑だなんてちっとも思ってないんだよ。」


真人はほのかの頭をぎゅっと胸に抱え込んだ。


「ほの、ほののことを俺に守らせてくれない?」


ほのかにはダイレクトで真人の心臓の音が聞こえる。先程よりも早くなった鼓動が真人の緊張を伝えた。





「ほの、


好きだ。」




ついにほのかの瞳からポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちた。