もう一度、ごめんねと黎くんを見て、目を少し見開く。

少しだけ、怖い目をしていたから…。

「れ、黎くん?」
「ぁ、なんですか?」
「ごめんね、って…」
「気にしないでください。急に言ってすいません」

黎くんが謝ると同時に、アナウンスが流れた。

「じゃあ、俺、ここで降りるんでっ」
「うん…」
「また明日っ!!」

そのまま、バスを降りていく。

…また、明日?
明日ってことは、明日また会うのだろうか?

そんなはずない、と自分に言い聞かせた。