「ごめんね、せっかく席探してくれたのに…」
パンっと、顔の前で手を合わせる。
「全然っ、気にしないでください」
ニコッと笑う黎くんを、いろんな意味で、優しいなぁと思った。
「ねぇ、黎くん…」
なんですか?と言う黎くんに、さっきからずっと思っていたことを聞く。
「なんで、いきなり告白したの?」
「好きだから…です」
「ゃ、そうじゃなくて…。きっかけ、みたいの全くなくない?」
あたしと黎くんは、今日会ったばかりで、告白されるようなことは、何一つない。
そう思っていると、黎くんはフワッと笑って話し出す。
「先輩、今日オレらのこと注意したでしょ」
「え」


