15分の恋。


「ごめんね、せっかく席探してくれたのに…」

パンっと、顔の前で手を合わせる。

「全然っ、気にしないでください」

ニコッと笑う黎くんを、いろんな意味で、優しいなぁと思った。

「ねぇ、黎くん…」

なんですか?と言う黎くんに、さっきからずっと思っていたことを聞く。

「なんで、いきなり告白したの?」
「好きだから…です」
「ゃ、そうじゃなくて…。きっかけ、みたいの全くなくない?」

あたしと黎くんは、今日会ったばかりで、告白されるようなことは、何一つない。

そう思っていると、黎くんはフワッと笑って話し出す。

「先輩、今日オレらのこと注意したでしょ」
「え」