誰が決めたかもわからない、臭い台詞を言う。

最初台詞を聞いたときは、本気で辞めてやろうかと思ったが、海斗がうるさいから、口をヒクヒクさせながら、台詞をはいたのを覚えてる。

何度も練習した、いや、されられたおかげで、自然と言えるようになった。

たぶん、半棒読みだが…。

そして、無事午前の部を終えた。

休憩中。

「はぁ…。疲れた」

ほんとに疲れた。笑顔で振る舞う時点で疲れる。

「なーに言ってんだ。まだ、午前出ぜ?」
「帰りてぇ…」
「ダメー」

海斗は何故か楽しそうに、しゃべっている。

「でも、いいよなー」
「なにが」

こんな恥ずかしい格好をしている時点で、いいことなんてなにもない。

「クラスのマドンナ、北川が姫役!!そしてダンス!!サイコーじゃねぇか…」
「どこがだよ」