15分の恋。


「言い忘れてたけど」
「うん」
「水着」
「…」
「似合ってる…」

そう言い残して、スタスタと歩いていく結城くん。

最後の言葉はいつもより、小さい声だったけど、ちゃんと聞こえた。

“似合ってる”

褒められれば誰だって、嬉しいと思う。海斗くんに褒められたときだって、嬉しかった。

けど…

「うそぉ」

誰にも聞こえないくらい、小さな声でつぶやく。

嬉しすぎる。どんなにたくさんの人に褒められるより、結城くんの一言が、何よりも嬉しいい。

結城くんの一言が、あたしの元気の源みたい…。

大げさかもしれないけど、それぐらい…。

「なにしてんだ?」

少し離れたところで、あたしを呼ぶ。

「ぁ、ごめん!」

急いで結城くんのところに向かう。

「…」
「…」

む、無言…。

「ね、ねぇ結城くん」
「ん?」
「さっきの、もっかい言ってって言ったらどーする?」

ちょっと、冗談交じりに言ってみる。