「言い忘れてたけど」
「うん」
「水着」
「…」
「似合ってる…」
そう言い残して、スタスタと歩いていく結城くん。
最後の言葉はいつもより、小さい声だったけど、ちゃんと聞こえた。
“似合ってる”
褒められれば誰だって、嬉しいと思う。海斗くんに褒められたときだって、嬉しかった。
けど…
「うそぉ」
誰にも聞こえないくらい、小さな声でつぶやく。
嬉しすぎる。どんなにたくさんの人に褒められるより、結城くんの一言が、何よりも嬉しいい。
結城くんの一言が、あたしの元気の源みたい…。
大げさかもしれないけど、それぐらい…。
「なにしてんだ?」
少し離れたところで、あたしを呼ぶ。
「ぁ、ごめん!」
急いで結城くんのところに向かう。
「…」
「…」
む、無言…。
「ね、ねぇ結城くん」
「ん?」
「さっきの、もっかい言ってって言ったらどーする?」
ちょっと、冗談交じりに言ってみる。


