ぐぅぅぅぅぅぅ
もちろん鳴ったのは、あたしのお腹で…。
「ぶっ」
吹きだしたのは結城くん。
かぁぁぁと顔が赤くなっていく。そして、ついに結城くんが笑い出した。
「っ、はは、はははははっ」
「も、もぉ!そんなに、笑わないでよ!」
お腹を抱えて笑う。こんな結城くん初めて見た…。
いつも、フッと優しく笑うだけで、こんな風に笑う結城くんを見れてすっごく嬉しいけど。
は、恥ずかしすぎる…!!!
「っ、あー。こんなに笑ったの久しぶりだわ。お前ほんとスゲーわ」
「なにがすごいのよぉ…」
顔を真っ赤にしながら、ぷぅっと頬を膨らますあたしと、笑いすぎて涙目になってる結城くん。
ハァーっと、落ち着かせるように息を吐いて
「よし、行くか」
「…どこに?」
今までの会話で、どこかに行くという会話は全くなかったはず。
「腹減ってんだろ?昼飯、食いにいこーぜ」
そう言って、浜に向かう結城くんを追う。
「あ」
浜に出たところで、結城くんが何かを思い出したかのように立ち止まる。
「?どしたの?」
「あぁ、えっと」
なんだろ、と顔を覗き込むと、小さく口を開いた。


