「どーした?」
「…」
「早くこい」
「うんっ」
さりげない優しさ、そういうところが大好き。
「結城くん、いいの?」
「なにが?」
不思議そうに聞く
「せっかく遊びに来たのに、泳ぎ方教えてもらうなんて…」
オズオズと聞くと、フッと笑って
「俺が教えたくて教えるんだからいーんだよ」
ポンッと頭に手を置いた。
「あ、海斗くんたちは…」
「あぁ、あいつらなら」
と言いながら、後ろを向く。その視線の先には、紫穂ちゃんと海斗くんが仲よさげに2人で泳いでる。
「あれなら、放っておいても大丈夫だろ」
「そう、みたいだね」
2人のタイプは違うけど、相性はいいみたいで、よかった。
ほっと息をつく。
「よし、始めるぞ」
「うん!」
それから、結城くんにみっちり教えてもらった。
とっても、教え方が上手で少しだけ泳げるように…なったと思う。
「けっこう、さまになってきたな」
「ほんと!?」
「あぁ」
また、ポンッと頭に手を置く。
その仕草が、大好き。
ぽぉっと、頬が染まる。その時…


