「なにって?」
「何でくつ履いてるの?」


だいぶ熱は下がっているが、完璧に下がったわけじゃない。
なのに外に行こうと靴を履いている結城くん。


「どこか行くんだったら、代わりに行くよ?」


そう言うと、フッと笑って「ちげーよ」と言った。
じゃあ何処に行くんだろう、と首をかしげると


「送るんだよ」


笑顔で言う、結城くん。
その言葉に、固まるあたし。

送る?
結城くんが、あたしを…?


いやいやいや


「ダメでしょ」
「なんで?」


なんでって、結城くんは病人なんだよ?

そんな人に送ってもらうなんで…