「俺ん家は、みんなバラバラだった。
親父もお袋も、俺も。
でも、俺と親父はそうでもなかった。
お袋はだいたい一人だったけど。
あいつはいつも、好き勝手やってたから」
最後らへんだけ少しの声が強くなったのは、気のせい、だろうか。
「んで、小6のときにてきとーなお袋に腹が立って、言い合いして、家を飛び出した」
「…」
「家を飛び出したのなんか、初めてだった。
その日は、梅雨に入ったばっかの大雨で。
追いかけて来るはずのないお袋が、名前を読んで…走ってきた」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…