4年後。

新緑が街路樹を青く染める頃。


オレは美織にプロポーズをした。


「返事をする前に、どうしても連れて行って欲しいところがあるの」


美織はそう言って微笑んだ。


6月の晴れた日曜の午後。


「連れてって欲しいとこって、ここ!?」


そこは教会だった。


え?


これってOKってこと!?


リーンゴーン、リーンゴーン。


教会の鐘の音が澄んだ空に響き渡る。


教会の中から一組のカップルが顔を出した。


今ちょうど結婚式の最中か・・・。


次の瞬間、オレの瞳は幸せそうなそのカップルに釘付けになった。


須藤十夜と・・・・渡瀬加奈。


高校を卒業して以来、一度も会っていないが、紛れもなく二人だった。


白い花嫁衣裳に包まれて微笑む渡瀬加奈。


グレーのタキシードに身を包み花嫁を優しく見つめる須藤十夜。