「ふ~ん、で、そのあとは結局会えなかったわけ?」


ここまで真剣に聞いてくれた勇介が率直な疑問をぶつけてきた。


「ああ。あのあと彼女とは一度も会えなかったんだ」


美織ちゃん、元気でいるだろうか。


オレが想い出に浸っていると、勇介がオレの腕を肘でつついてきた。


「おい、お前の言う美織ちゃんってあんなタイプか?」


「は?」


また、女の子探しに勤しむ友人をからかってやろうとオレは勇介の指す女の子を振り向いた。


可憐な瞳。


ふわふわの髪に、ピンクの唇。


人を虜にするその・・・天使の笑顔。


「美・・・織・・・」


キャンパスの入り口に、オレの忘れられない人が立っていた。


オレのことを一心に見つめながら・・・。