オレは美織のつらそうな表情を見て、思わず美織の言葉を遮る。


「ごめん!わかってる。オレなんかじゃ駄目だって。だからいいんだ。君が元気でいてくれれば。今日はこれを渡したくて。受け取ってくれ!」


オレはあの日から描き続けた美織の肖像画を無理やり美織に渡し、病室を飛び出した。


いいんだ、これで・・・。


彼女のお陰で告白する勇気がもてた。


それだけで、オレはなんだか幸せを感じていた。


あんなバカみたいな告白でも、彼女が一歩幸せに近づけるなら・・・。



それから2週間後、人づてに、美織が転校したと聞いた。


オレの心の中に、淡い恋の想い出と、


天使の微笑みだけを残して。