龍神 Sside【完】








―…波の音がして、潮の匂いがした





あれから気が付けば海にいた。



引き寄せられるように、海に入った。






冷たくもなく、暖かくもない海。




そんな海をみて、海の一部になりたくなった。





一部になれなくてもいいから、せめて一緒になりたいと思った。







いっそ、すべてを捨てて消えてしまおう。







「―とま…!!」





誰にも見つからずに、一人海の奥深くで眠ろう。

深い深い海底に沈んで、もう二度と浮き上がらないように







「―もどれ…行く…―バカ…―」





おやすみ、おやすみ。