時間に少し遅れて到着した
颯太は既に待ち合わせ場所にいた。
「さき久しぶり!」
「久しぶりだね-」
「ねぇカラオケ行こー?」
その瞬間気づいた
あ、やばい。
あたしが返事をしようとした時には
腕を引っ張られ
強制的に手を繋がれていた。
「颯太、なんでカラオケ?」
少し控えめに聞いてみた
「え、二人だけになれるとこ
カラオケくらいじゃん?
静かに話できるじゃん?」
真面目な表情で
且つ、甘えた表情でそう言った
「え、あ、はー…」
繋がれた手をほどこうにも
野球歴10年と筋トレ好きな颯太に
勝てる訳もなく
仕方なく黙って着いていくしか無かった。
近くのカラオケに着くと
店員に灰皿は?と聞かれている
颯太を見て常連なんだな、と思った
店員に照井くん知り合い?と聞かれている
颯太を見てここでも有名なんだな、と思った
気づいたときには
2人には広すぎる
個室に押し込まれ
思い切り抱き締められていた

