「でもな」
和樹さんは静かに再び口を開いた。
「絶対に人の嫌がるようなことや、迷惑になることだけはしなかった。
人に対しての礼儀だって他の小さい子に比べたら随分身についていた。
俺はゆずかや飛鳥が小さい時から思ってたんさ、
この子たちは人の気持ちが分かる子になるって、人のことを想える、いい子になるってさ」
そう言う和樹さんの目は凄く優しいものだった。
それを聞いていたあたしと飛鳥以外も優しい表情をしてうなずいた。
「そんなに言われると…、照れちゃうな」
「だな、俺もちょっと恥ずかしい…」
あはは、とまたみんな笑う。
「さあて、旅館まであと半分くらいだ!
SAでも寄って休憩してこうぜ」
そうしてあたし達は途中のSAに寄ることになった。
あたし達は男女で分かれて多少自由に行動することにした。