―――――……。



「どうして!?」




暗い部屋に女の悲痛な叫び声が響く。


それをなだめるかのような低い男の声。




「落ち着け。

言っただろ、さっきも。
今は親切にしておくべきなんだ」


「でも…!
せっかく距離をとらせられるチャンスだったのに!!」


「いいか、
そうやって最初から自分の欲に素直になって行動すると、相手に勘付かれるんだ。

だから最初は嫌でも相手に尽くす。
支えてるかのように接してやるんだ」


「でも…、
私は早くあの人がほしい…」


「大丈夫だ、
そのうち手に入れさせてやるから。

…ほら、いつもの。
手伝ってやってる代わりの、『キス』、しろよ」


「…っ、
分かってるわ」




そう言って女は男に口付けをする。

次第に2人の行為はエスカレートし、本能のままに愛し合い始めた。



これは

本物か、偽物か、分からないまま。