「ほら、行け」
「え、でもお会計…」
「こういう時くらい奢る!」
「ありがと、ごめんね、大地!」
そう言ってあたしは自分の荷物を引っつかんで、お店を出た。
「ゆ…ずか」
「飛鳥…」
たった数時間会ってないだけなのに、
運命の再会みたいに懐かしく感じた。
あたしは街中だということも構わずに飛鳥に思い切り抱きついた。
「飛鳥、
あたし、飛鳥の傍にいなきゃダメみたい。
あたしは飛鳥のこと信じてる。
だから、飛鳥もあたしのこと信じて…」
あたしなりの精一杯の想い。
それだけ伝えてぎゅうっと飛鳥の服にしがみついた。
「ゆずか、俺はな…」
飛鳥はあたしをみながら口を開いた。

