テーブルに置いてあるセラヴィを見て、あたしはクロウさんが一体何を思って心臓探しゲームなんてことをさせたのか、考えてみた。


いや…単なる暇つぶしだろうけどね??


でも―――


セラヴィは、零くんが大切に守ってきたものだ。


それをクロウさんは知ってるはず。


そしてクロウさんは零くんがいつもお祈りしていたあの窓辺に香水を置いた。


それは偶然じゃないはず。





クロウさん―――


もしかしてミサトさんのこと、何か知ってるの……



零くんのこと―――何か知ってるの??



二人の関係のこと、あの人は分かってたんじゃないかな…



だからあの場所に隠した。


零くんが見つけるように。


あたしにとっては分からないことだらけの二人の関係だけど、


それがまるで答えのような気がして、





でも答えなんて誰も分からない。





だって零くんはミサトさんにフられちゃったわけだし。



あたしは未だに零くんに気持ちを伝えることもできない。




本当のことなんて、当人でないと分からないのに。





でもあの人は……




クロウさんはあの二つの淡い水晶体で、その答えや意味も全部見透かしているような



そんな気がした。






その上であたしたちを導こうとしている



そう感じた。