だけど零くんは全然気にしてない様子でページをめくってる。


「俺、北斗の拳大好きなんだ♪尊敬する人はケンシロウ。あんなかっこ良くて強い男になりたいよ」


なんて、どこまでもマイペース。


零くん?いくらがんばってもケンシロウにはなれないと思うよ……


零くんと北斗の拳……何かイメージが違うケド…


でも零くんのそんな一面が見れてちょっと嬉しかったり。


「結城さんも読んでみなよ。泣くよ?」


なんて言って零くんがあたしにマンガを差し出してきた。


う~ん…あんまり興味がないけど、零くんのオススメなら一度読んでみようかな…


なんて軽い気持ちで受け取った。


―――数時間後…


軽い気持ちだったけど…


何これ!?すっごいハマるんですけど!


しかも


「ねぇねぇ零くん、この人誰?」


ってページを指差すと、


「ああ、それはねー」なんて言ってあたしのすぐ後ろから、あたしを覆うように両手を伸ばしてくる零くん。


つまりあたしは零くんの体の中にすっぽり収まってるってわけで…


ドッキーン!!


あたしの心臓が飛び出すぐらい、ドキドキ…心臓がないからしないけど、そんな気持ちだよ。


ああ


生きて、零くんにこんな風にされたかった~~~(泣)!