「零くん!」
あたしは、零くんがどこかへ行っちゃってなくて安心したのと、気が抜けたのと、で零くんに走り寄った。
一瞬―――
零くんがもう居なくなっちゃったかと思った。
あんな変な夢見るからだよ。
そりゃ幽霊にとって、やっぱり一番いいのは成仏だけど―――…
何でかな。
あたしはまだ零くんと一緒に居たい。
思わず零くんの胸の中に飛び込んで、襟を掴んでしがみつくとクロウさんが
「Oh!大胆なレディだね。でも抱きつくんならミーにしたまえ」なんて言ってくる。
うるっさい!
クロウさんみたいな、分けわかんない幽霊に抱きつけますかっての!
どうせ抱きつくんなら、ずっと好きだった人の方がいいに決まってる!
零くんは最初のうち困ったようにあたしを見下ろしていたけど、だけどすぐにあたしの頭を優しく撫でてくれた。
「大丈夫だよ。結城さんを置いて成仏しないから」
零くん……優しいんだね…
じんわりと目に涙を浮かべていると、
・
「だって俺、まだ結城さんで遊びたいから」
は…?
「天国行っちゃったらこんな面白いオモチャなんてないだろうし。心残りと言えば、唯一それだから。
だからまだ当分成仏できないよ」



