クロウさんは―――100年以上、幽霊やってるって言ってた。
100年もの間、きっと色んな幽霊と出会って、そして成仏するのを見送ってきたんだ…
“成仏”なんて言葉ピンとこないけど、せっかく仲良くなってもすぐにお別れなんだよね。
あたしも零くんも成仏しちゃったら……
憧れの高校生活も、はじめての恋も―――
あたしがほんの少しだけ抱いた零くんへの気持ちも―――
生きてる零くんに伝わることなく、何もかもなくなって
消えちゃうんだ。
そんなのやだな―――……
制服のスカートをぎゅっと握って、あたしは俯いた。
「疲れた?今日は遅いし一度休もうか」
零くんが、俯いているあたしの顔を覗き込んで心配そうに眉を寄せている。
零くん……
やっぱ優しい―――
その優しさと、急に幽霊なんかになっちゃったショックとが混じってあたしの目頭にじんわりと涙がたまった。
「泣かないでレディー。寂しかったら私が添い寝をしてあげよう」
なんてクロウさんがあたしの肩を抱き寄せる。
お呼びでない!
一瞬、悲しくなったけど、クロウさんのお陰で涙も引っ込んだわ!



