黒いタキシードに、シルクハットを被ったすらりと背の高い人だった。
彫りが深い西洋の顔立ちの男の人。外人さんだった。
外国の人の年齢ってはっきり分からないけれど、きっとまだ若い…たぶん20歳代前半だろう…
ハリウッド俳優なみに整った顔のイケメンだ。
ってか、誰―――!!?
ちゃんと足があるってことは、人間!?
あたしは思わず後ずさった。
「レディが困っているのを見過ごすわけには行かないからね。
おっと失礼。私としたことが、ここ数十年若いレディに会ってなかったもので…」
と言い、その男の人はシルクハットを外した。
恭しく頭を下げると、
「私はクロウと申します。レディ、あなたのお名前を伺っても?」
「結城 明日未です。あなたも幽霊なのですか?」
って…何で零くんが勝手に答えてるのよ!
しかもびっくりするぐらい冷静。
「ゆうき あすみ!?な、なんと!!」
クロウと名乗ったこの男の人はびっくりしたように目を開いた。
顔が整っている分驚いた顔も随分迫力だ。
「あ、あたしの名前が何か……」
おずおずと聞くと、
「何とポジティブな名前なんだ。ゴーストにしておくにはもったいない…」
あっそうですか…
もぉ!何なのこの人!!



