男の子にそんなこと言われたのはじめてだよ!
恥ずかしいのと嬉しいので、顔から火が出そう!
って、あたし体温がないからそんなこともないだろうけど…
今は幽霊で良かった~
って、何冷静に考えてるのよ!幽霊なんかじゃ意味がないよ!
あたしも零くんに染まってきてるんじゃ!?
「結城さんてさ、昔飼ってたチワワにそっくりなんだよね~。ふわふわの毛が気持ちよくてモップみたいだったから“モップ”って名付けたんだ」
モップ??
ネーミングセンス無!
しかもあたしはチワワかよ!
突っ込みどころは満載だったけれど、あたしはそれを敢えて口にはせずに零くんにしがみついたまま。
いくら変でもマイペースでも、今頼れるのは零くんだけ。
「キッチンに着火できそうなものは無さそうだから、他探そう」
零くんはあたしの手を引くと歩き出した。
ぅわ…
はじめて男の人に手を握られちゃった…
しかも…やっぱり頼れる。
多少変なところは目を瞑って、男らしいところにちょっと惹かれるよ。
あたしは手を握られたままキッチンを出ようとした。
そのとき―――
カチッと小さな金属音がして、
ボッ
急に真っ暗だった暗いキッチンに小さな火が浮かび上がった。
「これを使いたまえ」
零くんのじゃない大人の男の人の声が聞こえて―――あたしたちは思わず足を止めた。



