洋画なんかに出てきそうな、これまたかつては立派で広かっただろうキッチンで食器棚やシンクの下を漁ること数分。
零くんの思惑通り、ろうそくはあったけれど、マッチなんかの類いはどこにもなかった。
やっぱりそう簡単にはいかないか…
しょんぼりと項垂れていると、遠くの方でかすかな物音がした。
びくりとして、思わず零くんにしがみつくと、
「大丈夫だよ。きっと風かなんかで窓に木がぶつかったんだ」
と言ってまたもあたしの頭を軽く叩く。
零くん―――……
こんな状況じゃなかったら、あたしはこんな優しくて心強い零くんに一発ノックアウト。
かっこいいだけじゃなくて、頼りがいもあるんだね。
「でも良かったぁ。君が男じゃなくて。野郎二人でくっついてるの想像したら鳥肌が…あ、鳥肌も立たないか、幽霊だし?」
………
零くんはあたしが考える人とは違って―――やっぱ、ちょっと変。
あたしが白い目で見てるにも関わらず、零くんはふわふわと笑って、
「一緒なのがこんな可愛い女の子で良かった~」
と一言。
―――え?
可愛い!?



