「どうとでも言ってよ。だって怖いもんは怖いんだもん。それにあたし新入りだから、他のお化けから苛められたら…」
顔を青くして、
それでも開き直って零くんの腕にしがみつくと、零くんはまたも目をまばたき、だけどすぐに柔らかい笑顔を浮かべた。
「素直なんだね」
そう言ってあたしの頭をぽんぽんと軽く叩いた。
び……っくりした……
お、男の人に頭ぽんぽん…
しかも憧れの零くんに!
幽霊になってどうしようかと思ったけど、少しはいいことあるかもしれない。
なんて思いながら、あたしは零くんの後をついて行くことに決めた。
「ねぇ、ここ真っ暗。いっくらあたしが幽霊でもさすがに怖いよ。何か明かり探さない?」
と提案すると、
「灯りって言ってもなぁ。ここ電気通ってないし。懐中電灯なんかもちろんないし」
と、零くんは考え込んだ。
それでも真剣に考えてくれたのか、数秒後に
「あ、そうだ。キッチンに行こうよ。蜀台があるからろうそくあるだろうし、マッチとかあるかもしれない」
そう言って零くんは近くにある、洋画なんかで見る、やたらとゴテゴテした飾りがついたろうそくの蜀台を手に取った。
な、何か頼れそう……?
ほっとして…でもまだ安心しきれてないあたしは、零くんに寄り添うようにぴったりと間を詰めた。



