だけど零くんはすぐにその表情を無表情に変えて、
「特に意味はないよ」
零くんは軽く流して立ち上がった。そしてスタスタと屋敷の廊下を進む。
「ちょ…どうするの?」
慌てて彼の後を追うと、
「どうするって、眠いから寝ようかな、って。これぐらい広いし部屋もいっぱいあるし、ベッドぐらいどこかにあるでしょ」
と、零くんはどこまでもマイペース。
眠い??幽霊なのに!
思ってる傍から零くんはふわふわと欠伸を漏らし、突っ込みたいあたしを残してさっさと行ってしまう。
「ま、待って!」
ガシッ!
あたしは零くんの袖をしっかり掴むと、零くんはまたもびっくりしたように目を丸めて振り返った。
「あ、あたしを置いて行かないで」
「置いてくもなにも、俺たちここから出られないし、屋敷内には居るから安心して?」
と、零くんは爽やかに笑う。
その笑顔に―――安心………しそうになって、あたしは慌てて頭を振った。
「そうゆう問題じゃないの!」
「?」
零くんが首を傾げる。
「お、お化けが怖い!」
思い切って言うと、零くんは最初きょとんとしたものの、
「幽霊のくせに他の幽霊が怖いって…」
と、ぷっと笑った。



