「君がカトリーヌをミサトと思い込んだ理由はね、きっとレイの想いの波長と君の波長がリンクしたからだと私は思うよ?」
波長がリンク―――……
「零がミサトを想う気持ちが強かったのと、
アスミがレイのことを知りたいと想った気持ちが
―――きっとどこかで繋がったんだね。
だから途中でアスミはミサトの夢を見なくなったのさ。
レイがミサトよりもアスミに心を奪われ始めたときから」
だからあの不思議な夢を…
零くんをちらりと見上げると、零くんはちょっと恥ずかしそうに視線を泳がせた。
そっか……
そーだったんだ。
「ミスタークロウ。私はブリトニーよ」
「ああ!しまった!私としたことが…」
クロウさん…
かっこいいこと言ってるはずなのに、どこか踏み外すのも変わってない。
「カトリーヌって一体誰よ」
キャンキャン吠えながらカラスのクロウさんに噛み付こうとしているブリトニーさん。
「落ち着きたまえ。もうここも取り壊されるみたいだし、今度青空デートしようじゃないか♪」
とカラスクロウさんはチワワブリトニーさんを宥めているのか、首にすりすり。
てか…あたしたち二人の中身を知ってるから
ふわふわ美女のブリトニーさんにイケメン貴公子(もどき?)クロウさんが擦り寄ってるようにしか見えないんだけど。
「モップに近づかないでください」
零くんが目を吊り上げてカラスクロウさんを引き剥がし、
「なんだい、レイ。ヤキモチかい??アスミと言うレディーがいながら」
とクロウさんは零くんの手の中で笑い声を上げる。
元を辿れば二人は同じ血縁者で、
ああ、それを考えれば益々変な感じ。
「青空デートで思い出した。あたしたち、何でゴーストになってるときこのお屋敷から出られなかったんですか?
あたしたちが死んだ…ってか生きてたのか、とにかく何でゴーストになっちゃったんですか??」
気になったことを聞くと、零くんの手から逃れるように羽をばたつかせてクロウさんはあたしの目の前に止まった。
「君たちがあそこで事故にあったのは本当に偶然。
あのとき私は何もしていない。ただ、魂だけは肉体に戻らず彷徨っていたからね、
私があの屋敷に導いたのだよ。
あれはこの屋敷をそのまま象った、幻。
私が作ったイリュージョンだ。
君たちの魂をあの世に連れて行かず、留まらせるためにね」



